祝!アルバム「かがやき」高木正勝
つらつら思い出し日記
<第四回>











はる













張る


2014年4月

永く寒い冬が、ようやく溶けていきました。
行ったり来たりしながらも、暖かい日が増えて、
日に日に、新しい芽が、ぽっ、ぽっ。
愛おしくて踏まないように歩いてしまいます。

すっかり静まり返っていましたが、虫や鳥たちがわさわさ、一匹、一羽、増えていきます。

気づけば、どっと辺り一面、新しい命で溢れておりました。
百億のざわめき。

村の人が「春がすごいからねえ、春はいいよお」と口々に言ってたのがわかります。

今まで何を見ていたんだろうというくらい、味わったことのない春でした。







「かがやき」1枚目の「うるて-はるのうち」は、スタジオの外にレコーダーを置いてピアノを弾きました。歌うのはオス鳥だといいますが、新しいうたを覚えたいのか、こちらが歌ったり演奏すると、じっと聴いて、歌い返してくれます。

命のざわめきをピアノでも歌い返したくて「おおはる」みたいな曲が出てきました。指だけじゃ追いつかなくて、手のひらも、腕も、肘も、躰いっぱい使って。







「桜の枝が赤くなってきよったやろ。もうすぐ咲くで」
枝が赤くなる?
あっ、ほんとや、赤くなってきた。





八重桜の塩漬け準備。















ピアノを弾いていると、こんこんこん、鳥が家の周りを飛び回って、窓を叩いてきます。





2014年4月、5月






溝堀り祭り。



もっちもっちのアナグマが庭にやってきたり。




とおちゃんも、みんな、外に出てる。




はるまつりに向けて、村のおっかさんたちと。




さくらんぼ、鳥と取り合い。



とにかく身の回りのものでなんとかしたくなってきた。
竹や枝で柵づくり。







一人でやってると辛い作業もみんなでやると、わっしょい祭だ、楽しい。




三つ葉が大量に自生している。



竪穴式住居を真似して作ろうとしてみたり。




スタジオが整ってきた。



旬のもの。
春は、ゆきのした、よもぎ、たらのめ、のびる、たけのこ、さんしょ、、、、

産まれたての命を躰に入れる。




 






畑をはじめてみる。
せっかくなので、肥料をあたえず薬もまかず、土地の力をいただいて。




いのち、吹き出る


2014年5月



























 




水は雲に雨に雪に血になり











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