2014年4月
永く寒い冬が、ようやく溶けていきました。
行ったり来たりしながらも、暖かい日が増えて、
日に日に、新しい芽が、ぽっ、ぽっ。
愛おしくて踏まないように歩いてしまいます。
すっかり静まり返っていましたが、虫や鳥たちがわさわさ、一匹、一羽、増えていきます。
気づけば、どっと辺り一面、新しい命で溢れておりました。
百億のざわめき。
村の人が「春がすごいからねえ、春はいいよお」と口々に言ってたのがわかります。
今まで何を見ていたんだろうというくらい、味わったことのない春でした。
「かがやき」1枚目の「うるて-はるのうち」は、スタジオの外にレコーダーを置いてピアノを弾きました。歌うのはオス鳥だといいますが、新しいうたを覚えたいのか、こちらが歌ったり演奏すると、じっと聴いて、歌い返してくれます。
命のざわめきをピアノでも歌い返したくて「おおはる」みたいな曲が出てきました。指だけじゃ追いつかなくて、手のひらも、腕も、肘も、躰いっぱい使って。
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「桜の枝が赤くなってきよったやろ。もうすぐ咲くで」
枝が赤くなる?
あっ、ほんとや、赤くなってきた。
八重桜の塩漬け準備。
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